日本文化を探る
京都・秋の列車旅。車窓いっぱいに広がる「もみじのトンネル」へ
(身近な日本文化を楽しむ)
嵐山、高雄、永観堂や南禅寺など、京都には有名な紅葉スポットが多くあります。中でも叡山電車のもみじのトンネルは、車窓いっぱいに広がるみごとな紅葉を楽しめる絶景ポイントのひとつ。今回は、このもみじのトンネルとその楽しみ方をご紹介します。
もみじのトンネルとは
もみじのトンネルは、叡山電車鞍馬線(叡電)の市原駅から二ノ瀬駅の間にある約250mの区間。線路の両脇には約280本ものイロハモミジやオオモミジが折り重なるように茂り、車窓いっぱいに枝を広げています。
初夏の青もみじが鮮やかな時期や秋の紅葉時期になると、もみじのトンネルの区間では夜間ライトアップや徐行運転が行われます。この区間には線路に並行して走る道路はないため、紅葉を楽しめるのは車窓からだけ。電車の中からしか見えない絶景を楽しみに、毎年多くの観光客が訪れます。
初夏の青もみじが鮮やかな時期や秋の紅葉時期になると、もみじのトンネルの区間では夜間ライトアップや徐行運転が行われます。この区間には線路に並行して走る道路はないため、紅葉を楽しめるのは車窓からだけ。電車の中からしか見えない絶景を楽しみに、毎年多くの観光客が訪れます。
叡山電車の車窓から
叡山電車は、出町柳駅から八瀬比叡山口駅を結ぶ叡山本線と、鞍馬駅を結ぶ鞍馬線の2つの路線を運行しています。鞍馬線は、八幡前駅のあたりから山がぐんぐんと迫り、市原駅を過ぎると本格的な山の中を走る路線となり、ちょっとした登山電車の雰囲気も楽しめます。
出町柳駅で京阪電車と接続していることから、京都市内はもちろん京阪沿線である大阪府や滋賀県からのアクセスもよいのが特徴です。
叡電沿線にはもみじのトンネルだけでなく、貴船神社や鞍馬山、瑠璃光院などの紅葉の名所があります。
このあたりの紅葉は山に近いことから、市内よりやや早めに色づきはじます。紅葉の見頃の時期には、もみじのトンネル、貴船神社への最寄り駅である貴船口駅、終点鞍馬駅などでライトアップが行われます。
出町柳駅で京阪電車と接続していることから、京都市内はもちろん京阪沿線である大阪府や滋賀県からのアクセスもよいのが特徴です。
叡電沿線にはもみじのトンネルだけでなく、貴船神社や鞍馬山、瑠璃光院などの紅葉の名所があります。
このあたりの紅葉は山に近いことから、市内よりやや早めに色づきはじます。紅葉の見頃の時期には、もみじのトンネル、貴船神社への最寄り駅である貴船口駅、終点鞍馬駅などでライトアップが行われます。
展望列車「きらら」号とその名前の由来
叡山電車には、いくつかの特徴的な車両が走っています。中でももみじのトンネルを楽しむのにぴったりの車両が、展望列車「きらら」号です。
「きらら」号の特徴は、大きなガラス窓です。一部の座席は窓を向くように配置されていて、車窓の景色をゆったり眺めることができます。また、前面は平面ガラスをいっぱいに使い眺望を良くし、列車の前に広がるもみじのトンネルの様子を楽しめるようになっています。
車体カラーには紅葉をイメージしたメープルレッドのものとメープルオレンジ(※)が使われており、見ているだけでもワクワクしてくる電車です。
※2020年12月頃まで、メープルレッドは青もみじをイメージしたメープルグリーン色に塗装変更されています。
「きらら」号の運行時刻表は叡山電車のサイトでも公開されています。
旅行会社各社でも「きらら」号に乗り、もみじのトンネルを楽しむ旅が多く企画され、紅葉シーズンになるとこの列車に乗るために多くの観光客が足を運ぶなど人気を博しています。
ところで、「きらら」という名前は何に由来しているのでしょうか。
叡山電車によると、その由来は2つあるそうです。
ひとつは、車体のガラスが木漏れ日を浴びて「きらきら」と輝くイメージ。
そしてもうひとつは、沿線にある「雲母坂(きららざか)」という地名です。
修学院駅から歩いて20分ほどの場所にある雲母坂は、京都から比叡山へ通じる登山道の入り口。南北朝時代の軍記物『太平記』にも登場する、京都の人にとってはなじみある地名のひとつです。雲母坂のように、京都の人になじまれる電車になってほしい。展望列車「きらら」には、そんな願いが込められています。
「きらら」号の特徴は、大きなガラス窓です。一部の座席は窓を向くように配置されていて、車窓の景色をゆったり眺めることができます。また、前面は平面ガラスをいっぱいに使い眺望を良くし、列車の前に広がるもみじのトンネルの様子を楽しめるようになっています。
車体カラーには紅葉をイメージしたメープルレッドのものとメープルオレンジ(※)が使われており、見ているだけでもワクワクしてくる電車です。
※2020年12月頃まで、メープルレッドは青もみじをイメージしたメープルグリーン色に塗装変更されています。
「きらら」号の運行時刻表は叡山電車のサイトでも公開されています。
旅行会社各社でも「きらら」号に乗り、もみじのトンネルを楽しむ旅が多く企画され、紅葉シーズンになるとこの列車に乗るために多くの観光客が足を運ぶなど人気を博しています。
ところで、「きらら」という名前は何に由来しているのでしょうか。
叡山電車によると、その由来は2つあるそうです。
ひとつは、車体のガラスが木漏れ日を浴びて「きらきら」と輝くイメージ。
そしてもうひとつは、沿線にある「雲母坂(きららざか)」という地名です。
修学院駅から歩いて20分ほどの場所にある雲母坂は、京都から比叡山へ通じる登山道の入り口。南北朝時代の軍記物『太平記』にも登場する、京都の人にとってはなじみある地名のひとつです。雲母坂のように、京都の人になじまれる電車になってほしい。展望列車「きらら」には、そんな願いが込められています。
もみじのトンネルを抜けて
もみじのトンネルを抜けて、終点鞍馬駅まで足を伸ばしてみましょう。鞍馬駅周辺には有名なみどころがふたつあります。ひとつは駅前の天狗のモニュメントで、もうひとつは鞍馬寺です。
天狗のモニュメントは、鞍馬山に伝わる天狗の伝説にちなんだものです。長く鞍馬のシンボル的な存在として愛されていましたが、2017年1月の大雪で鼻が折れるなどのアクシデントがあり、2019年10月にリニューアルされることになりました。
鞍馬寺は、鞍馬駅から下車すぐのお寺。起源は古く、770年に鑑真和上の高弟である鑑禎(がんちょう、がんてい)上人が開いた草庵にまでさかのぼることかできます。牛若丸がここで天狗に剣術を習った伝説などでも知られています。
鞍馬駅周辺には、鞍馬寺に向かう道にお土産屋や昔ながらの食堂が数軒あります。昼間は軽い食事をすることや、鞍馬名物の木の芽煮や佃煮、ちょっとした天狗のグッズを買うことができます。夜になると鞍馬駅は無人となり、駅前のお土産屋や食堂も全部閉まり、あたりは静寂に包まれます。
もみじのトンネルは、専門家のアドバイスのもと、叡山電車が手入れや植樹を行い大切に守り育てているそうです。
もみじのトンネルを大切にする人がいるからこそ、私たちはその絶景やさらに奥にある自然や古刹を旅し、楽しむことができるのでしょう。鉄道の旅を通して、京都の自然の美しさや、歴史の深さ、その土地ならではの伝統や特産品などの文化に改めて触れてみませんか。
※参考サイト
叡山電車公式サイト
(https://eizandensha.co.jp/)
雪で折れたてんぐの鼻完治 京都・鞍馬のシンボル
(https://www.sankei.com/photo/daily/news/170324/dly1703240023-n1.html)
取材協力:叡山電車
天狗のモニュメントは、鞍馬山に伝わる天狗の伝説にちなんだものです。長く鞍馬のシンボル的な存在として愛されていましたが、2017年1月の大雪で鼻が折れるなどのアクシデントがあり、2019年10月にリニューアルされることになりました。
鞍馬寺は、鞍馬駅から下車すぐのお寺。起源は古く、770年に鑑真和上の高弟である鑑禎(がんちょう、がんてい)上人が開いた草庵にまでさかのぼることかできます。牛若丸がここで天狗に剣術を習った伝説などでも知られています。
鞍馬駅周辺には、鞍馬寺に向かう道にお土産屋や昔ながらの食堂が数軒あります。昼間は軽い食事をすることや、鞍馬名物の木の芽煮や佃煮、ちょっとした天狗のグッズを買うことができます。夜になると鞍馬駅は無人となり、駅前のお土産屋や食堂も全部閉まり、あたりは静寂に包まれます。
もみじのトンネルは、専門家のアドバイスのもと、叡山電車が手入れや植樹を行い大切に守り育てているそうです。
もみじのトンネルを大切にする人がいるからこそ、私たちはその絶景やさらに奥にある自然や古刹を旅し、楽しむことができるのでしょう。鉄道の旅を通して、京都の自然の美しさや、歴史の深さ、その土地ならではの伝統や特産品などの文化に改めて触れてみませんか。
※参考サイト
叡山電車公式サイト
(https://eizandensha.co.jp/)
雪で折れたてんぐの鼻完治 京都・鞍馬のシンボル
(https://www.sankei.com/photo/daily/news/170324/dly1703240023-n1.html)
取材協力:叡山電車
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