令和2年、新型コロナウイルスの流行により、「伝教大師最澄1200年魅力交流『大学コラボプロジェクト』」も大幅な活動の制限を余儀なくされています。そうした中、新たな試みとしてスタートしたのが、オンラインによる「大学コラボフォーラム」です。これまでに参加してきた学生が有志となって、文化経済などを問わず、各界を代表する識者との対話を通じて「私たちにとって文化とはなにか？　未来に伝えるべきことはなにか？」というテーマについて、考察を深めようという趣旨でスタートしました。プレイベントを挟んで、第3回目は「宗教と文化」という観点から杜多道雄天台宗宗務総長を招き、1時間あまりにわたる世代を超えた議論が交わされることとなりました。

決まった日時に会場に足を運ばなければならなかった公開討論会は、新型コロナウイルスでの制約を逆手にとった「オンライン大学コラボフォーラム」というスタイルに生まれ変わりました。一期一会のライブならではの白熱した議論もさることながら、場所や時間にとらわれずに参加できるオンラインフォーラムに参加したのは、実に400人あまり（YouTube視聴者を含む）。出演者による意外なエピソードの披露に、ファシリテーターの学生からも驚きの声が上がったほど。大いに盛り上がった議論を前後編に分けて紹介します。
（本文・敬称略）