伝教大師最澄1200年魅力交流プロジェクト「いろり」

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サントリーホールディングス株式会社 代表取締役副会長  鳥井 信吾さん
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特集 「一隅を照らす」

伝教大師最澄1200年魅力交流委員会委員長
サントリーホールディングス株式会社
代表取締役副会長

鳥井 信吾さん

委員長にご就任された鳥井さんを大学コラボの大学生8名が囲んで座談会のようなインタビューを開催!
経済界を牽引されている鳥井さんから日本文化の伝承に向けたいろんな視点でのご意見を頂きました。

Q. 経済人また経営者の視点で、日本文化の重要性とその伝承に求められるものをお聞かせください。

グローバル化にともない、ますます日本人としての自覚、つまり「アイデンティティ」という軸足を持っていることが求められているのではないかと思います。
外国の人とかかわる上で、日本の文化は「これ」とはっきり自分の言葉で伝えられた方が、より相手に理解を示してもらえる。グローバルな世界では、「アイデンティティ」をしっかりと持つことが有利にはたらくのではないか、と私は思います。様々な国の人とふれあう中で、最先端なものを受け入れながらも、日本らしさを心の中でもっていることに価値があるのではないでしょうか。
ある方にお聞きしたのですが、クアラルンプールで日本のお茶会を開いたとき、イスラム圏の人々がたくさん来て、日本の茶の湯(茶道)には無縁でありながら、お茶会はとても盛り上がったそうです。つまりお茶という軸足があることで日本の文化やその空気感にイスラム圏の人達が興味津々だったのです。
みなさんは京都という地に住んでいるからこそ、日本文化について考える機会が多いのかと思いますが、日本文化にこだわりながらもこれからは海外にも目を向けながら発信していくことが大切ではないでしょうか。
ー自分が何者で自国の歴史、文化、伝統に対してどんな想いをもっているか、アイデンティティをしっかりもって言葉にする。すると思わぬところでお互いわかり合えることもあるのだと思いました。グローバル化は自分の軸はこの国から始まっているんだ、と胸を張って周りの人に言えることに気付ける機会となるってとても素敵なことだと思いました。

Q. 会社や社会の中で若い人を育てていくお立場として、若い人にどのようなことが今後求められると感じられますか?

2つあると思います。1つ目は環境に自らを適用させていくことです。
会社に入ると、まず仕事の仕方を職位が上の方や先輩から習っていくわけです。そこには会社という組織としての方針がもちろん存在しますが、同時にその環境に自分がどのように適用していくかを考えなければ成長はしていけません。どんな風に人と交流し、組織全体の流れに乗っていくかを考えることが重要です。2つ目は社会貢献などを通して会社にとらわれず世界全体、大きく言うと歴史全体を見通す目、判断力をもつことです。今やっている事業はまさにこの2つ目の観点ですね。たとえ会社が今儲かっていても、将来も社会から必要とされ成長し続ける会社であるためには、「一隅を照らす」という視点を失ってはならないと思います。今やっていることが将来役にたち、また昔からやっていたことを変える必要もある、ただそれは今この瞬間にはわからない。それらを積み重ね、巡り合わせるために日々の一隅があり、それを大切にし、全うすることで人も会社も成長していくことができるのではないでしょうか。
ーこの魅力交流プロジェクトを進めていく上でも大きなヒントになりました。仕掛けや間口をつくっていく上で、やはり新しい手法、価値を生み出していかなくては若者、ましてや社会は動いていきません。1つ目の観点も、今後社会で実際に働いていく中では、様々なフィールドで多くの人に出会い、全体を見ながらも個々にどんな役割が与えられ、社会に役立っているかを見極める大切さだと思います。鳥井さんのように、大きな組織を引っ張っていく立場から、すぐ明日を変えられるわけではないが、全体が大きく前進し、変わり続けるためには個々の日々の地道な努力、役割を全うし適用する姿勢が必要不可欠であると感じました。

Q.「一隅を照らす」も一つと思いますが、鳥井さんがもっとも大切にしてきた価値観や、日ごろから意識されている好きな言葉などはありますか?

サントリーの創業者から引き継いできた「やってみなはれ」という価値観ですね。常に新しいことに挑戦し続けるチャレンジ精神を表す言葉ですが、でもその解釈が大切です。どこまでを「やってみなはれ」の範囲にするのか、これはただ好き勝手にやる、ということではありません。慎重に相手や社会全体の出方を見ながら、やるべきタイミングや雰囲気を見極め、判断することが求められます。会社に入ったばかりだと分からないと思いますが、上の立場の人、部長や課長といった人たちに教えてもらったり、必要なことを習いながらも次にどうしていくかを常に自分なりに考えながら仕事に取り組むことが大切です。そのステップをふんでいけば、より大きな仕事をまかされるようになります。
ーただ日々のルーティーンをこなしていくのでは、誰でもできる。しかし、自分なりに大枠を捉え、価値を置いて仕事に取り組んでいく、そんな行動が自分、会社、社会にとって経験になり、やりがいを感じる第一歩になると学びました。
貴重な時間を割いて頂き、大学コラボプロジェクトのことや働くこと、大きくは生きていくことへのヒントをありがとうございました!実行委員長としての鳥井さんのお言葉は、学生コラボプロジェクトメンバー全員にとって、とても力強いパワーになりました。

そのあとに鳥井さんは、私たち学生コラボプロジェクトのメンバー一人一人にも参加動機を聞いてくださってご丁寧にお返事を頂きました‼ 最後にメッセージをお願いします!

学生の皆さん一人ひとりが、それぞれの観点から意欲をもって取り組まれていると知り、今後の展開がとても楽しみです。皆さんにとって新しいことへの挑戦ですから、いろんな困難なことにもぶつかるかと思います。ですが、考え抜いてひたむきに行動すれば必ず乗り越えられると思います。「やってみなはれ」の精神で目標に向かって進んでいってください。もちろん私がサポートできることはしていきたいと思っています。皆さんの健闘を祈っています。
ーありがとうございました。
大学コラボプロジェクトのメンバーは、毎回のワークを通し、日々の研究や興味の観点から多様なアプローチにより最澄の志に想いを馳せる人を増やすための仕掛けを考えています。その魅力交流プロジェクトの実行委員長である鳥井さんと直接言葉を介してお話することができ、情熱MAXで気合いを入れ直しました。鳥井さんがおっしゃっていたように、海外へ発信する時には一度、日本人としてのアイデンティティや良さは何かを全員で話し合ったり、時代や環境に適用させていくためにはどうしていったら良いのかを意識して全員で取り組んでいきます!

この記事を書いた人

立命館大学4回生 規矩琴香さん