令和元年6月11日
いろり端
探訪「1200年の魅力交流」
山王祭を裏から支える
事務局の役を担う山本さんと談をとる

ー 山王祭に参加されたのはいつごろですか?
父や祖父が雅楽会として祭りに携わっていたこともあって、中学2年生の時に初めて祭りに参加しました。最初は松明持ちからのスタートし、下積み時代に雑用などをこなしながら祭りのことを勉強しました。高校を卒業して神輿の担ぎ手の一員になることができました。
さらに担ぎ手として数年を経て、毎年4月12日に行われる午の神事で神輿の先頭を担ぐ「鼻」を32歳の時に務めました。「鼻」は一生に一度しかできない役割で、祭りへの貢献度などが認められて初めて任せてもらえる大役なんです。
ー 担ぎ手から事務局へ入った理由をお聞かせください。

ー 事務局としての役割を教えてください。
当日は本部とやり取りしながら、現場で神輿の担ぎ手である駕輿丁のタイムスケジュールを管理します。駕輿丁の若者たちの面倒を見たり、一度では覚えられない危険な箇所を教えたりします。
また、祭りの前後には協賛してくれた方々や、警察、消防、観光バス、延暦寺などへ挨拶回りや、祭りの後の御礼参りも事務局の大切な仕事です。
ー 事務局はいつごろからできたのでしょうか?
神様を乗せた神輿を担ぐのは、誇り高い役目です。また昔は遠く琵琶湖の対岸からも、神輿の行く手を照らす松明の明かりが見えたと言います。その明かりが滞りなく降りてくることができればその年は豊作と信じられていたため、山王祭は地元・坂本のみならず、周辺地域の農家にとっても大切な祭りだったんです。

ー 事務局のやりがいはどんなところですか?
ー 祭りで心がけていることは何ですか?
そうして1200年続いてきたこの祭りを次の世代へと受け継いでいってもらえるようにしていきたいです。

ー 山本さんおすすめの、山王祭の一番の見どころは?
ー 今後の課題はありますか?

ー そのためにどんな対策をされているのでしょうか?
今、少年野球チームのコーチをしているのですが、野球はもちろん祭りのことも知ってもらえたらという目論見もあります(笑)。
ー 山本さんにとって山王祭とは?

来年度委員長となる山本勇さん(現副委員長)は
良きアドバイザーであり、祭りを支える大切な仲間
ー 坂本の魅力を教えてください。
また、奥宮からの景色は絶景なので、ぜひ登って見てほしいです。
ー 好きな言葉を教えてください。
こうした「縁」も、後世に伝えていきたいと思っています。
日本文化を学ぶ
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