日吉大社と比叡山の歴史とは

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滋賀県大津市坂本にある日吉大社は、全国におよそ3800社ある日吉・日枝・山王神社の総本宮です。その歴史は古く、『古事記』に「大山咋神(おおやまくいのかみ)、亦の名を山末之大主神。此の神は近淡海国の日枝の山に坐し」と、記載があります。 古事記は712年に編纂された日本最古の歴史書のことで、この“日枝の山”こそ、後の比叡山です。日吉大社は、崇神天皇によって7年に創祀されたということなので、2100年以上の歴史を有しているということになります。
平安京に遷都後は、都である京都の鬼門・北東にあたることから、鬼門除けや災難除けとして崇敬されてきました。
また、平安時代に伝教大師最澄が比叡山に延暦寺を建立した後、日吉大社を地主神とし、比叡山と天台宗の守護神として崇敬したのです。“山王権現”と呼ばれるようになったのは、この頃からで、中国(唐)の天台宗の総本山に祀られていた“山王元弼真君”にならったからとされています。
明治時代になると“神仏分離令”によって、仏教色が廃されたことも特筆すべき点でしょう。2006年には、歴史的風土特別保存地区に指定されました。国宝となっている西本宮本殿と東本宮本殿は特徴的な建築物で、屋根が“日吉造”と呼ばれる、日吉大社特有のもの。現在見られる建造物の多くは、安土桃山時代の建立です。
毎年4月には神事である“山王祭”が行なわれ、地元の方だけでなく、多くの観光客で賑わいます。

 

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